監督処分・罰則
監督処分・罰則について
Q1.建設業の監督処分について教えてください。
A 建設業法には様々な規制が設けられており、これらに違反すると刑罰を受けると同時に行政処分として監督処分が行われます。
監督処分は刑罰や過料などの罰則とは異なり、行政上直接に法の遵守を図らせる行政処分となります。
監督処分の種類は以下の通りです。
指示処分
建設業法に違反している場合、法令や不適正な事実を是正するため業者がどのようなことを行わなければならないかについて監督行政庁が命令することをいいます。
営業停止処分
指示処分に従わない場合は、監督行政庁による営業停止処分の対象になります。
この処分は1年以内の期間で監督行政庁が判断して決定されますが、一括下請負禁止規定違反や刑法などの法令に違反した場合などには、指示処分なしで直接営業停止処分がなされることもあります。
許可取消処分
不正な手段により建設業許可を受けた場合や、営業停止処分に違反して営業したなどの場合は、監督行政庁によって許可取消処分がなされます。
情状が特に重いと判断された場合、指示処分や営業停止処分なしで直ちに許可取消処分となる場合もあります。
営業禁止処分
営業停止期間内の法人の役員・個人事業主などに対して建設業の営業を禁止することをいいます。
Q2.監督処分に該当する行為について教えてください。
A
指示処分
- 工事を適切に施工しなかったために公衆に危害を及ぼしたとき。またはそのおそれが大きい場合
- 請負契約に関して不誠実な行為をした場合
- 建設業者、その役員等がその業務に関し、他の法令に違反した場合
- 一括下請負の禁止に違反した場合(この場合は元請・下請ともに処分を受ける)
- 各工事に配置される主任技術者が工事の施工管理に関して不適当な場合
- 許可を受けないで建設業を営む者と500万円以上の下請契約を締結した場合
- 特定建設業者でない者と3,000万円以上の下請契約を締結した場合
- 営業停止、営業禁止されている者と知りながらその者と下請契約を締結した場合
営業停止処分
指示処分に該当する行為が、故意または重大な過失により行われた場合は原則営業亭処分となります。
また、指示処分を受けたにもかかわらず改善がないなど、指示処分に違反した場合も営業停止処分となります。
許可取消処分
- 建設業許可の要件を満たさなくなった場合(経管・専任技術者の不在など)
- 欠格要件に該当するに至った場合
- 不正な手段により建設業許可を受けた場合
- 指示および営業停止処分事由に該当し、情状が特に重い場合
- 指示および営業停止処分に違反した場合
Q3.営業停止処分を受けた場合に行ってはいけない行為について教えてください。
A
営業停止期間中行えない行為
- 新たな建設工事の請負契約の締結
- 処分を受ける前に締結された請負契約であって、工事の追加に係るもの
- 営業停止期間満了後における新たな建設工事の請負契約の締結に関連する入札、見積り、交渉など
- 営業停止処分に地域限定が付されている場合は、当該地域内における各上記の行為
- 営業停止処分に業種限定が付されている場合は、当該業種に係る各上記の行為
- 営業停止処分に公共工事又はそれ以外の工事に係る限定が付されている場合は、当該公共工事又はそれ以外の工事に係る各上記の行為
営業停止期間中行える行為
- 建設業許可の更新等、経営事項審査、入札の参加資格審査の申請
- 処分を受ける前に締結された請負契約に基づく建設工事の施工
- 施工の瑕疵やアフターサービス保証等に基づく修繕工事の施工
- 災害時における緊急を要する建設工事の施工
- 請負代金等の請求、受領、支払い
- 企業運営上必要な資金の借り入れ等