工事経歴書の書き方
これまで経営事項審査申請を受ける・受けないによって工事経歴書の書式は異なりましたが、平成20年4月より工事経歴書が一つの様式に統一されました。
変更された内容は簡単にまとめると次のようになります。
- 経審を受けなくても「配置技術者」の氏名などを記入することになりました。
- 税込・税抜を選択する欄が追加されました。
- 「元請工事の請負代金合計額」を記入することになりました。
- 「完成工事の合計件数」を記入することになりました。
また、経営事項審査を受ける場合・受けない場合では書き方が異なります。
工事経歴書のおおまかな書き方はこちらをご参照ください。
※都道府県により扱いが異なる場合がありますのでご注意ください※
工事経歴書の注意(1)
経審を受けない建設業者の場合にも、これまでは必要のなかった「配置技術者」の氏名の記載が必要となりました。
ここで注意を必要とする場合が、経営業務管理責任者と専任の技術者を代表者が一人で兼ねており、他に技術者がいない場合、いわゆる一人親方の場合です。
「専任の技術者」とは、その本社または営業所ごとに常勤してもっぱらその業務に従事する者をいいます。
つまり、例えば本社が大阪で、専任技術者が代表者一人のみの場合、他に技術者がいなければ京都や奈良などの遠隔地の工事を請け負うことは事実上不可能となります。
これをやってしまうと、工事経歴書のつじつまが合わなくなるどころか業法違反になり、知らなかったではすまなくなりますのでくれぐれも注意しましょう。
技術者資格の取得を推進し、できるだけ多くの有資格技術者の確保をしていくことが望ましいでしょう。
参考 ~技術者の種類~
- 専任の技術者 ・・・・・営業所ごとに配置/許可基準の1つ
- 主任技術者、監理技術者 ・・・・・工事現場に配置
※建設業許可を受けている各営業所の専任技術者は、原則として現場に配置する主任技術者・監理技術者になることはできません。
しかし、工事現場と営業所が近接している場合は、専任を要しない主任・監理技術者となることができるとされています。
ただし、この「近接している場合」の解釈を独自ではせず、必ず事前に各都道府県に確認・相談しておきましょう。
工事経歴書の注意(2)
請負代金の額の「税込・税抜」の別を記載することになりました。
これまでもそうでしたが、「損益計算書の完成工事高」「直前3年の各事業年度における工事施工金額」などの数字に関しては税込・税抜を混同しないよう明確に区分し、統一して記入しましょう。
工事経歴書の注意(3)
「元請工事の請負代金合計額」や「完成工事の合計件数」を記入することになりました。
年間を通して元請・下請の区分はもちろんですが、完成工事の総合計件数は日頃から整理・集計していないとなかなかすぐには出てこない数字ではないでしょうか。
これは毎年の決算変更届を提出しないまま数年間分まとめて出さないといけない場合は、過去の集計が特に困難になってくる場合もありますので注意しましょう。
また、この完成工事の合計件数は、
- 毎年の決算変更届の場合、その営業年度分の数字
- 新規許可申請の場合、申請日より1年間分の数字を記入します。
※新規許可申請の場合は、申請日より1年間分の工事経歴書とは別に、添付する財務諸表の期間分(直前の決算期間分)の工事経歴書も別途あわせて提出します。
用語解説
配置技術者
「配置技術者」とは、建設業者が請け負った建設工事の施工現場を管理する「主任技術者」または「監理技術者」のことです。
主任技術者
「主任技術者」とは、建設工事の施工で技術上の管理をつかさどるものとされます。建設業者が建設工事を施工するとき、民間工事・公共工事・元請・下請にかかわらず、その建設工事現場ごとに一定の資格を有する主任技術者を必ず置かなければならないと規定されています。
主任技術者の資格は、一般建設業の専任の技術者の資格と同一です。
監理技術者
「監理技術者」とは、特定建設業者が元請として発注者から直接請け負った工事の一部分を下請業者に外注するとき、その総額が3,000万円以上となる場合(建築一式工事の場合は4,500万円以上)に現場に配置しなければならない技術者のことです。
監理技術者の資格は、特定建設業の専任の技術者の資格と同一です。
TEL 06-6430-7844 (月~土:AM9:30~PM7:00)