建退共とは
経営事項審査の評価項目にある「建退共」とは、正式な名称を「建設業退職金制度」といい、中小企業退職金共済法に基づき国が制定した制度です。
経審申請用の加入・履行証明書などを提示することにより、社会性等の評価Wで加点評価されます。
この制度は、建設業の事業主が勤労者退職金共済機構の建設業退職金共済事業と共済契約を結んで共済契約者となり、建設現場で働く作業員を被共済者として、その作業員に交付される退職金共済手帳に働いた日数分の共済証紙を貼り消印をし、その作業員が建設業で働くのを辞めた際に退職金が支払われる制度です。
建設業を営む事業主であれば、元請下請の別を問わず全て加入することができます。
被共済者は、現場の作業員であれば月給日給にかかわらず、共済手帳の交付が受けられます。
事業主、役員報酬のみの役員は被共済者にはなれません。
建退共に加入するには、建設業退職金共済契約申込書と建設業退職金共済手帳申込書に必要事項を記入の上押印し、事業所所在地に建退共事業本部の各都道府県支部に提出します。
この掛金は、損金または必要経費として処理できます。
経審の際必要となる加入・履行証明書は、契約者が申出すると年間を通じて共済証紙の購入及び手帳の更新が適正になされているかの確認を受けて、交付されます。
なお、加入・履行証明書を発行する際には共済手帳受払簿と共済証紙受払簿の提出が必要となります。これは、対象労働者に支給される共済手帳と共済証紙の管理を徹底する目的で行われるもので、証紙の購入と労働者への支給状況を記載した2つ受払簿の作成が事実上義務付けられています。
公共事業を受注すると、その工事種別、発注者別に一定の割合で証紙を購入し、その領収書の提出を発注者から求められることがあります。工期中の現場作業員の退職金分を発注者が積算に計上しているので、証紙の購入状況を確認するためです。元請負人は下請負人に、就労期間内の被共済者数および延べ就労日数に応じて、共済証紙を交付することとされています。